スズキ目アジ科


 体形、体色は太め、細め、銀白色から黄色の強いもの、黒色の強いものなどがあり、 種類が異なるとも言われるが、これらをすべてマアジとしている。だいたい沿岸に近いものは白く、沖合の潮流が強い海域のものは黒く細目が多い。尾ビレの元から体側の中 央にぜんご(ぜいご)と呼ぶ特殊なうろこがあるのがアジ類の特徴で、釣りでも人気が 高い。夏が旬でこの頃沿岸近くに群が集まり、小型は湾内の防波堤回りに群がる。サビ キで釣る。ファミリーフッシングの代表的な魚である。大型は、水深30〜100mを 釣る。  料理: さしみ、たたき、塩焼き。 
 マアジによくにているが、やや細身で、体型が丸い。体色も銀白色のものからかなり 黒色が強いものもあるが、だいたいは背の色の青みが強い。マアジと同様太め、細めと あり、太めのものなど、一見マアジと区別しにくいものもある。体の特徴の違いとして は背ビレの後ろ、尾ビレの手前に小さなはなれビレがあり、これはムロアジ類の特徴で ある。  夏が旬であるが、味はマアジより劣る。生息・回遊場所もマアジに近く、特に小型の ものはマアジの群に混ざって回遊しており、同時に釣れることも多い。  料理: 塩焼き、干物。
 ヒラマサに体型は似ているが、更に側扁度が大きく、体高があるので判断は容易であ る。体色もやや黄色みが強く若魚では頭から背中にかけ、黒褐色の帯が八の字に入る。  ヒラマサよりやや南方系の魚で、夏〜秋の海水温の高い時期に本州南岸へ回遊する。 若魚はかなり大きな群をつくり、やや大きな湾内へも回遊が見られる。成魚はあまり沿 岸へは寄らないが、離島の岩礁近くや沖合の高根周りを回遊する。なお成魚はあまり大 きな群をつくらない。  料理: さしみ、フライ。
 関東ではワカシ・イナダ・ワラサ・ブリ、関西ではツバス・ハマチ・メジロ・ブリと 成長の過程で名を変える出世魚の代表格。体形はわずかに側扁した紡錘形で、尾は深く 切れ込みパワフルな走りは釣り人にも人気。  成長もすこぶる速い魚で、関西では7月に当歳魚ツバスが大群で岸により、9月には ハマチ級に育ち、大阪湾にも入り込む。この頃まではかなり上層まで回遊する。3年目 で60cm級のメジロに育ち、80cm以上をブリと呼び、この時期はやや沖の中・下層を 泳ぐ。  料理: さしみ、照り焼き。
 ブリに大変よく似た体形で、どちらかの判断に迷うこともある。体形はブリに比べて やや側扁度が強い。体形もほぼ同じで背は黒みを帯びた青緑色、腹は銀白色で体側には 薄い黄色の縦帯が入る。  ブリよりやや暖かい海を好み、若魚でもあまり湾奥へは入ってこない。このころは南 方を主に回遊するためか、小型のヒラマサはあまり釣れない。成魚は沖合の高根周り、 夏〜秋は外洋に面した荒磯へも群が寄る。  料理: さしみ、焼き物。